
ず得意でした。その人は、(子供にそんな事が出来るはずがない)とは思わなかったのでしよう。
トラブルもよくありました。世間が里親制度についてあまりよく理解していない、という事もあるのでしょうし、友達の中で里子は私だけですから、多分、世間の人の意識の目を引いたのでしょう、(なぜ私だけ違う嫌な怒られ方をせんなんの、みんなでした事やのに……)という事も何度もありました。他の子には「おうちの人に言って叱ってもらうヨ!」なのに、私には「おうちの人に言われたら、あんた困るんやろ」なのです。なのに苦情を受けるのはいつも母で、その度、今の“お父さん”と“お母さん”があちこちに謝ってくれたのを覚えています。
反抗期の私は、常に母をターゲットにしていたそうです。(意地悪をされたくなければ、私の機嫌を取りに来い)……そんな気持ちで母に対し、よく何でもない事にでも腹立ちやすかったなア、と今思います。自分の心のあり方に少し問題がある事に気付かず、本で読んだシンデレラを自分に置きかえて考えていて(私はシンデレラのように意地悪される立場なんだ、可哀想な子なんだ、それなら意地悪される前に、こっち
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